はじめに
そんなものはない
これは何
10/19に発売されたゲーム「Inscryption」の隠しエンディングについてのメモ。
Daniel Mullins Gamesのゲームについてネタバレが含まれる。
主に作者のDiscordにおける議論を翻訳したもの。
……と思ったけど
先人がまとめていたので謎解きの大部分については割愛。その続きから書く。
https://note.com/dbs_curry/n/n8eba7204c8a8
一応ここにも書いておくべきことは書いておく。
- ニューゲーム最初の読み込みシーンでCtrl+Cを入力することでコマンドラインっぽいものを入力できる。
- そこで見つかるlog.txtを復号していくことで断片的な文と次の暗号を得られる。
- 謎解きの結果フロッピーディスクが送られてくるのを待つことになった。
以上の謎解きを経て送付されたフロッピーディスクは三種類。
Backup 2
- 最初に到着したフロッピーディスク。
- ディスクの内容は"backup_#2#.txt"というファイル。
- ファイルの中身は以下。
####QZ6h### |PLAYING##| ##e E##
Backup 3
- ディスクの内容は"backup_##3.txt"というファイル。
########TS0 ||NSCRYPTIONFRIEND ### #nd
Backup 1
- ディスクの内容は"backup_1##.txt"というファイル。
e-Fu####### THANKYOUFOR#|| Th# ###
フロッピーディスクの暗号
3つのテキストは1つのテキストを分割したものであり、それをまとめると
e-FuQZ6hTS0 THANKYOUFOR#|PLAYING##|NSCRYPTIONFRIEND The End
となる。
この二行目が最後の暗号の答え。それによって log.txt の最後の断片が復号された。
log.txt は全部で4つのパートから成る。
ロシア人の記録←バリーの反応←カミンスキとケイシーの反応、という階層構造になっている。ただしケイシーの[4c]と[5c]はカミンスキへの反応。原文の角括弧が反応に対応する。文だけを読む→それを踏まえてAを読む→それを踏まえてBを読む→それを踏まえてCを読む、とすると分かりやすい。
これまでの復号で得られた文章を組み合わせた全文(を筆者が翻訳したもの。重訳な上に筆者は頭が悪いので誤訳があるかもしれない)が以下。
log.txt 復号全文
1945年4月30日
極秘事項
私と仲間のマキシムは死体の写真を撮影し、その写真を<データ破損。品質に関するご質問は、Kaminsk Data Storage Mfg.にお問い合わせください>に埋めた。
A: これだ。この書き写された日記のページはヒトラーの腐った死体の場所を、さらに重要なことに彼の上着のポケットにあった貴重なカードの配列(Karnoffelコード)を明らかにした。昨夜、私は暗号を解読した。ここソ連での私の状況は微妙だが、この情報は身分を暴かれる危険を犯すにたるものだと思う。
A: 私は今、モスクワから西ベルリンへ、そして<データ破損。品質に関するご質問は、Kaminsk Data Storage Mfg.にお問い合わせください>ボストンへとディスクを密輸する準備をしている。ディスクは大量の偽の空ディスクの間に注意深く隠されている。
B: なんというバカ者だ。広範囲に及ぶ効果を考えれていれば、世界の命運…… そしてそれをたくさんの同一のディスクでつまった箱に投げ入れるのか? 今やクソッタレのロシア人の靴にキスをしなければ最悪の運命になるぞ。この極秘ディスクを何度も読み返すよりも有意義なことが絶対にある。だがダメだ、GameFunaのバカどもはゲームを完成させなければならない。そいつはくそったれの偽ディスクどもだぞ!
- C: カミンスキもクソッタレよ!そんなこと聞いてない。
B: 誰もこれをプレイしていない。Super Weasel Kid(訳者注:Inscryptionの作者が以前制作したゲームに登場する。The Hexを参照)のクローンをくれ。夜の11時に8フィートのロシア人がドアをノックしてこないように、私がそれをプリントできるようにしてくれ。
- C: そう、彼は実際に会っても同じように怒っている。
C: 分かった!それで説明がつく。私はなぜこのディスクが大量の空ディスクと一緒に箱の中へ放り込まれているのかが分からなかった。バリーが考えたこの密輸計画はどうやっても不自然に見えるけど、彼があそこで受けていた重圧を想像することはできない。
A: 私はこの計画が上手くいくと信じている。もしうまくいかなかったら? ソ連に利用されるくらいなら、この古いデータ(old data)を失った方がマシだ。
我々は今、地元の居酒屋でウォッカを飲みながらDurak(訳者注:ボードゲームの一種)を大量にプレイして次の指示を待っている。
- A: なんてことだ。
- C: まったくね、バリー、まったくだわ。
我々は満腹になったのに、今日行った仕事については一言も交わさなかった。長い旅の終わりに近づいている気分だ。
- B: 暗号は解けなかった。解こうとするべきですらなかったが、それ以外にどうやったら時間がつぶせるっていうんだ?
log.txt 原文
フロッピーディスクの他の部分について
- 最初の"e-FuQZ6hTS0"の部分はYoutubeのIDを示している。
- この記事のはじめに書いたように、「Inscryption」の発売日は10/19。
- 最後の一文はこの謎解きの終わりを意味している、らしい。
おわりに:結局どういうことなの?
- 一応Karnoffelコードというやばいものがあり、それを巡ってあれこれしていたよ、ということは分かるが、全貌は明かされない。
- 作者の他作品は共通した世界設定を持っており、この作品はその一部を成している。つまりInscryptonはバースの一部でしかなく、物語はまだ終わっていない。
- たとえばスタッフロール前の最後のシーンやルークが天秤にサイコロを載せているシーンでは The Hex の Sado が一瞬だけ映っているらしい。
- 完結するとしても次回作以降になるだろうし、(この手法の常として)おそらくは完結しない。
- もしこのバースをもっと知りたいのであれば Daniel Mullins Games の他のゲームをプレイするのもいいかもしれない。その方が作者も喜ぶだろう。
例の 参考にした ヤツ
- https://docs.google.com/document/u/2/d/e/2PACX-1vTXY6k5k-6p_kjjI_scaBtAjn495e9HqOz8vl95YSBdycjcfU1TUjjT6uWv5b-1R0xvC1SZxGV99Qt7/pub
- https://docs.google.com/document/d/1rBGv8ogVayjXu_s73xJRy-ObLiO9PIlHZGJqln9_sFU/edit#heading=h.tja59dmu1r9s